中期経営計画 MEDIUM TERM MANAGEMENT
基本方針
当社グループの経営理念である『第一にお客様とその未来のために』、『第二に社員とその未来のために』、『第三に企業とその未来のために』に基づき、未来に向けて私たちが目指す姿として、パーパス、ビジョン、バリューを定めております。当社グループのパーパス(存在意義)は『「トキメキ」と「あんしん」でお一人おひとりをより豊かに』することであり、それを実現するためのビジョン(目指す姿)として『2030年に世界的な「ホスピタリティブランド」になる』ことを目指した中長期の事業戦略を2021年11月に策定し、その第一フェーズとして2025年3月期をターゲットとする行動計画・数値目標を中期経営計画「PARIS MIKI NOUVEAU 〜新しいパリミキ〜 FY2022-2024」として定めており、目標の達成に向けて全社で取り組んでおります。
最新の中期経営計画は、以下よりご覧いただけます。
中期経営目標 全体像
2022年4月1日に株式会社三城ホールディングスから株式会社パリミキホールディングスに社名を変更いたしました。お客様にご利用いただいている店舗名称と株式上場銘柄名として表示される商号を一致させることにより、「パリミキ」ブランドを認知していただき、また当社株式にも関心を寄せていただけるように引き続き取り組んでまいります。
現在の主力事業である眼鏡事業におきましては、顧客体験の充実を通じて当社グループの原点である顧客満足のより一層の向上をはかり、グループの基幹事業として収益力の向上を実現してまいります。
あわせて、眼鏡店の経営を通じて培ってきた「お客様にお合せする」知識と経験を活かし、国内外でのメディカル関連事業など、未来に向けた新たな分野へのチャレンジもすすめてまいります。
経営環境
市場環境と顧客動向
国内においては、高齢化と少子化による就業人口の減少が長期的・恒常的な課題となってきているなか、長寿高齢社会において自身の人生を健康で楽しく豊かに過ごしたい、と望む一方で、医療、介護、社会保障制度や心身機能の衰えに対する不安を感じている方々が多いと思われます。そのような不安を少しでも解消するために何ができるのかを考え、視力や聴力のプロフェッショナルに気軽に相談していただけるような信頼関係を築いていくことが大変重要であると認識しております。
また、自然環境課題への配慮をしていくなか、大量消費の時代から、本当に必要なものを大切に使う思考へのシフトは徐々に浸透しており、品質はもとより長く愛用されるものを提供していくこと、そしてアフターフォローやメンテナンスも含めた安心できるホスピタリティを提供していく一貫したグループ体制を整備・構築し、その取り組みに共感していただけるように、継続し啓蒙していくことも当社グループの使命であると考えています。
同業他社との違い
当社グループの強みは、ただ眼鏡や補聴器という商品を売る会社ではなく、目や耳に関するお困りごとを気軽に相談できること、そして問題解決のための提案ができる経験の豊かな社員による高い水準の技術力があることだと認識しています。なお、国家検定資格となった「眼鏡作製技能士」制度が2022年4月に開始され、同年11月には日本初の資格者が誕生しました。当社グループでは現在、眼鏡小売業界では最も多い994名の合格者を有しております。 今後も社内の教育・育成環境の整備を充実し有資格者を増やしていくことで、よりお客様の「あんしん」にお応えできる人材を育成してまいります。また聴力測定室(防音室)を設置している国内店舗は500店以上あり、全国に補聴器取扱い店舗と技術力の高い社員を配しております。五感の重要要素である、見る・聴くという感覚は、ある程度道具で補えますが、「何を、どの程度、どの場面に合わせればよいのか」については高い提案力、技術力が必要であり、当社店舗においては全国で対応できる体制となっております。
また、ライフスタイルや趣味嗜好も一様ではないなか、店舗づくり、商品、視力測定のあり方にもこだわった、多様な店舗形態を展開しております。現在、出店および店舗改装や退店を伴う移転統合をすすめることにより、地域に合わせたコンセプトを明確にし、画一化された他社との差別化を行い、「トキメキ」と「あんしん」が融合した当社ならではの店舗への転換を図っているところです。
経営・事業戦略
店舗戦略
目指したのは「メガネ屋らしくないメガネ店」
ファッション感度の高いお客様の多い都市部においては、1950年代のアメリカンダイナーや音楽をテーマにした店舗や、社名である「パリミキ」にちなみ、フランス・パリが最も輝いていた1800年代後半から1900年代前半の古き良き時代をコンセプトにした店舗を展開いたしました。 また、郊外では、従来の店舗が時を重ねて色あせてきたこともあり、新しく作るのなら今までにないような店舗にしたいと考え、木材を使用したログハウス風のロッジ型店舗を作りました。店舗にはくつろいでいただけるカフェコーナーを併設したり、お子様が遊べる滑り台を設置することで、中高年の従来のお客様はもとより、若いファミリー層のお客様が多くご来店いただけるようになりました。 このように、「メガネ屋らしくないメガネ店」のオープンには、予想以上の反響があり、多くのお客様のご支持をいただくことができました。
今後の店舗展開に関しましては、引き続き不採算店舗の見直しを行い統廃合をすすめ、一店一店がお客様とより深い関係が築けるよう体制を強化してまいります。また、「トキメキ」を感じていただけるような店舗づくり、地域や客層に合わせるために品揃えや販売方法を変えた店舗セグメントに基づく店舗改装にも継続して取り組んでいるところであり、今後残していく郊外独立店舗については計画的に投資をしていく方針です。
既存店につきましては、店舗の統廃合を順次実施し、立地環境の変化した商圏では店舗の移転を行うなど、お客様の利便性の高い店舗づくりを推進してまいります。新店の出店を年間30店前後のペースで実施する一方で、老朽化した店舗や立地する地域の環境が大きく変わった店舗などの統廃合を並行して行うため、店舗数は2025年3月期までは現状の水準をおおむね維持する計画です。
商品戦略
オーディオライフケアの充実
日本には聴こえに不自由を感じながらも、補聴器を装用しない方が多くいらっしゃいます。その理由のひとつは、補聴器の購入には高額の費用がかかるためであると考えられます。これに対し当社では、毎月定額で最長3年間ご利用可能な定額制の貸出サービスを他社に先駆けて導入いたしました。このサービスは、いきなり購入するのではなく、まずは気軽にお試しができるサービスとして非常に多くのお客様にご利用いただいており、利用者数は年々増加しております。
また、補聴器の装用に年齢を感じたり、格好が悪いというネガティブなイメージがあることも多くの方が補聴器を装用しない理由のひとつと考えられています。当社では、このようなネガティブなイメージを払拭し、もっとポジティブに補聴器を装用していただけるご提案を今後積極的にすすめていきたいと考えております。近年、音楽用のイヤホンのようなスマートなデザインの補聴器も登場し、また、新たな技術でスマートフォンとの連動により音楽や動画を楽しむこともできるようになりました。補聴器を装用する主要な年代である70代後半の方々には、1960年代から1970年代にかけてのオーディオブームやアナログレコードの音を経験し、音にこだわりを持っている方も多くいらっしゃいます。そのような「音を楽しむ」ことを経験している方々に、ただ単に会話の補助ではなく、もっと気軽にポジティブに音を楽しむ補聴器をご提案することにより、補聴器市場は今後飛躍的に拡大する可能性があると当社では考えており、音を楽しんでいただくための補聴器という新しい市場を積極的に作っていきたいと考えております。
眼鏡フレームにおきましては、眼鏡フレームメーカーのグループ子会社 (株)クリエイトスリーとの連携により、機能性やデザイン性に優れた Made in Japan のプライベートブランドの拡充に今後も注力してまいります。また、眼鏡修理を専門とする(株)オプトメイク福井との連携により、愛着のある良い商品を長く使いたいニーズにもお応えし、大量消費からの脱却により環境を守ることにも貢献したいと考えております。
このようにグループを通じて商品の企画、開発からメンテナンスまで一貫して行える体制を今後もより強化し、顧客満足の向上に努めてまいります。
眼鏡レンズにおきましては、目的別に機能を持ったタイプや、目の健康に配慮した優れた商品の開発と提供を継続して行っております。さらに日本国内にレンズ工場を有するイスラエルのシャミール社との業務提携により、従来、納期に一週間程度要するところを最短で24時間以内に提供できる遠近両用レンズを日本で初めて取り扱うなど、多様なニーズに応えるべく、品質とサービスの向上、新たな市場の開発に努めております。
海外戦略
海外子会社につきましては、将来性のあるところには新たな投資を計画しております。特に東南アジアなど新たな市場への展開は、医療(眼科)ビジネスとの協業など、中長期的な成長を視野に取り組んでいるところであり、ベトナムで構築したノウハウをベースに、カンボジア、中国、タイ、フィリピン、マレーシアなどにおいて、それぞれの地域に合わせた形でアレンジし、眼科医療とメガネ店の融合を促進してまいります。
なお今後も市場が厳しい地域では既存店舗の立て直しを進めながら不採算店の整理をしており、海外法人の合計では、近い将来利益体質にしていく予定です。
財務目標
当社グループでは、創業以来『お一人おひとりにお合わせする』ということをモットーとしていますが、画一的な店舗や商品を揃えて大量に販売することよりも、この店舗に来て楽しかった、この商品を購入して楽しみが増えた、と思ってもらえるよう、お客様それぞれの生活シーンに合わせた提案ができることを目指しております。
その結果は、やはりお客様が増えていくこと、ひとりのお客様が何度も足を運んでいただけることに繋がると考えており、販売数量と売上高に反映されるものと思います。また、マーケットが変化し、お客様の来店数が減少している店舗につきましては、整理統合をすすめることで店舗数は純減したとしても、サービスの質の向上を図ることにより、一店舗当たりの売上高の増加と収益性の改善が可能だと考えており、安定した営業利益額を出していくことを当面の目標といたします。